産業医のおはなし⑪復職判定のポイント
メンタルヘルス不調などで休職していた社員から「〇月〇日付で復職可」という診断書が提出された。 人事として「診断書通りに復帰してもらおう」と考えて良いでしょうか?
産業医の視点から、復職判定の難しさについてお話しします。
「日常生活」と「業務遂行」のギャップ
主治医の先生は、本人が普段どんな仕事をしているかは本人への聞き取りで行うことが多いです。そのため仕事に関する情報が少なく、判断基準は「日常生活が送れるか」が中心になりがちです。
- 就労の意欲がある
- 規則正しい生活リズムである
これらは回復の証ですが、会社が求めたいのは「休職前の業務が遂行できるか」「再発せず安定して働けるか」です。
毎朝決まった時間に出勤し、複雑な業務をこなし、時にイヤな上司とも関わる。
この負荷に耐えられるかは、主治医の診断書だけでは情報が不足していることが多いのです。
産業医が確認するポイント
そこで産業医である私は復職面談で主に以下のような点を確認し、会社へ意見具申(復職可否の判断)を行います。
- 日中の活動量: 朝決まった時間に起き、日中活動(家事や運動)できているか。
- 病識の確認と就業意欲: 何が原因で休職に至ったかを振り返れるか。再発せずに仕事を続ける意欲が十分にあるか
- 主治医との連携: 「診療情報提供依頼書」を用いて、主治医に具体的な業務内容(残業の有無、対人折衝の負荷など)を伝えた上で、必要な配慮や再発防策を見極めます。
「試し出勤」や「リワーク」の活用
いきなりフルタイムではなく、段階的な復帰プランを作成することも重要です。
- ステップ1: 短時間勤務・定型業務のみ
- ステップ2: 残業なし・フルタイム
- ステップ3: 通常業務へ
このようにスモールステップを踏むことで、着実な復職を支援します。
「急がば回れ」の精神が、再休職や離職を防ぐ近道です。
ただし、こうした段階的な復職を行う際には、あらかじめ整理しておくべき課題があります。
- 賃金の支払いはどう設定するか
- 万が一の労災事故が起きた際、補償は受けられるのか
これらを曖昧にしたまま復職させると、トラブルの火種になりかねません。
そのためには、就業規則を整備し、メンタル休職からの職場復帰をあらかじめイメージした定型的な対応が重要となります。
安全かつスムーズな復職を支援するには、本人(ときにはご家族)、人事担当者、現場の上司、そして精神科医。
これら全ての関係者と連携し、結びつけることができる「調整力のある産業医」選びが肝要です。
■リエイドが提供する「再発させない」復職支援
復職判定は、ただの「許可」ではありません。
従業員様が再び倒れてしまわないよう、そして企業様が法的リスクを負わないよう、医学と労務の両面から橋渡しをする重要なプロセスです。
私たちリエイドは、現役の臨床医としての医学的知見と、メンタル不調対応の豊富な経験を活かし、以下のサポートを行います。
主治医との連携代行: 曖昧な診断書に対し、企業側が知りたい情報を引き出すための「情報提供依頼」をサポートします。
再発防止プランの作成: 「残業禁止」「短時間勤務」など、具体的な就業制限案を提示し、現場が運用可能な着地点を探ります。
セカンドオピニオン対応: 「主治医は復職可と言っているが、会社としては不安」といったケースのスポット相談も可能です。
復職判定で迷われた際は、判断を下す前に一度専門家の意見を聞いてみませんか?
▼ 診断書だけで判断するのが不安な人事担当者様へ
※「ブログを見た」と添えていただければスムーズです
もし、貴社のメンタル不調の対応に少しでも不安を感じられたら、お気軽にご相談ください。


